横浜市金沢区には、明治の元勲・伊藤博文がかつて過ごした別邸が静かにたたずんでいます。
横浜市で唯一の海水浴場があり、鎌倉時代からたびたび歴史に登場することから、海と歴史の町として知られています。
伊藤博文の旧別邸は野島という小島にあります。
野島から徒歩10分くらい離れた場所には明治憲法起草の地と呼ばれる場所があります。
伊藤博文、伊藤巳代治、金子堅太郎、井上毅ら四人は、金沢八景にあった東屋に連日集まり、明治憲法制定のために草案を練ったといわれています。その後、盗賊に書類が盗まれたため、夏島の伊藤の別荘に移って草案を完成させました。
伊藤博文の旧別邸は、観光地としてはあまり知られていない穴場スポットですが、歴史と海の風を感じることができる貴重な場所です。
金沢区の伊藤博文の旧別邸とは
野島周辺は、金沢八景の名で知られるように景勝地として江戸時代から知られてました。野島も「野島夕照」として金沢八景の一つに入ってます。
明治になると西洋風の海水浴が始まり、富岡海岸周辺に井上馨、三条実美、大鳥圭介といった明治政府の要人が別荘を建てるようになりました。
初代内閣総理大臣である伊藤博文が明治31年(1898年)に野島に建てた別邸が、伊藤博文旧別邸と呼ばれる建物です。
この別邸は野島の一画にあり、建物からは八景島を一望できます。
現在の建物は復元されたもので、横浜市が整備して一般に無料公開されています。
庭園はこぢんまりとしながらも手入れが行き届いており、四季折々の花を楽しめます。
中でも静かで落ち着いた雰囲気のボタン園は見所の一つです。
(伊藤博文旧別邸牡丹園)
建物と庭園の見どころ
木造平屋建ての邸宅は、数寄屋造りの風情あるたたずまいです。
内部には畳の間や厨房、当時の様子を伝える資料も展示されています。海を望む広縁からは、かつて伊藤博文も眺めたであろう美しい金沢の海が見渡せます。
伊藤博文に関する資料は、解説があるので歴史が苦手な人も楽しめます。
当時の便所の解説まであります。
(伊藤博文別邸便所)
旧伊藤博文金沢別邸の庭園
邸宅の庭には四季折々の花が植えてありますが、中でもボタンの名所です。
ボタンの花は、金沢区の区花に選ばれてます。
4月中旬から咲き始め、花は20cmほどに成長します。
ここでは海を望みながら花に触れ合えます。ツツジやマツの向こうに見えているのは海の公園と八景島です。
白やピンク、赤の牡丹は見たことありますが、紫の牡丹は初めて見ました。
(牡丹園)
スイフヨウ
旧伊藤博文金沢別邸の利用案内
旧伊藤博文金沢別邸は、開館日の営業時間内なら建物の中を見学できます。
自動車の場合は、野島公園の駐車場を利用できます。バイクや自転車は、隣接した場所に無料スペースがあります。
伊藤博文別邸の利用案内
休館日(祝日は翌日に休館)
4月~5月 | 6月~11月 | 12月~1月 | 2月~3月 |
無休 | 毎月第1・第3月曜日 | 毎週月曜日 | 毎月第1・第3月曜日 |
開館時間
4月~5月 | 4月~5月以外 | |
伊藤博文別邸 | 9時30分~17時30分 | 9時30分~16時30分 |
牡丹園 | 9時~18時 | 9時~17時 |
野島公園有料駐車場
1時間まで200円、以降30分100円
営業時間:7時~23時
アクセスと周辺情報
所在地 | 神奈川県横浜市金沢区野島町24 |
アクセス | シーサイドライン野島公園駅徒歩5分 京浜急行金沢八景駅徒歩23分 |
伊藤博文金沢別邸の周辺には称名寺や海の公園、野島展望台など、他の観光スポットも点在しており、散策コースにもおすすめです。シーサイドラインを使えば、八景島も近くです。
まとめ
・横浜市金沢区には伊藤博文の別邸があった
・明治憲法の草案は伊藤博文の別邸で作られた
・伊藤博文の別邸は無料一般公開されている
・伊藤博文に関する資料が展示されている
・庭園に牡丹園がある
伊藤博文金沢別邸は、横浜にありながらも喧騒とは無縁です。海を見ながら、ゆっくりと時の流れを感じつつ、明治の偉人が愛した風景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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