北条氏ゆかりの「宝戒寺」|鎌倉幕府終焉の慰霊寺

鎌倉

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が解除されたので、鎌倉の寺院を回ってみましたが、多くの寺院は5月末まで閉門のようでした。

6月になったので鎌倉を回ってみましたが、街を歩く人はかなり少なかったです。

 

小町にある「宝戒寺」に再開初日に行ってみましたが、人が少なくてのんびり見学できました。

宝戒寺の前の鶴岡八幡宮周辺もクルマの量が少なく、コロナ前は路上駐車も多かった若宮大路も、歩く人で賑わっていた段葛も閑散としてました。

金龍山宝戒寺とは?

宝戒寺は、正式には「金龍山釈満円頓宝戒寺」という天台宗の寺院です。

開基は後醍醐天皇、開山は五代国師の円観慧鎮(えんかんえちん)で、建武二年(1335)の創建です。

宝戒寺がある場所は、以前は鎌倉時代の執権北条氏の邸がありました。

北条氏滅亡時には、南の東勝寺で北条高時以下870人が自害したといわれ、北条氏の霊を慰めるために後醍醐天皇が足利尊氏に命じて宝戒寺を建立させたといいます。

宝戒寺開山の円観は、5人の帝の戎師になったことから五代国師を授けられました。

宝戒寺は、加賀の薬師寺、伊予の等妙寺、筑紫の鎮弘寺とともに遠国四箇の戒場といわれました。

 

宝戒寺

  • 宗派:天台宗
  • 山号寺号:金龍山円頓宝戒寺(きんりゅうざんえんどんほうかいじ)
  • 建立:建武二年(1335)
  • 開山:五代国師円観慧鎮(えんかんえちん)
  • 開基:後醍醐天皇(ごだいごてんのう)
  • 本尊:地蔵菩薩

 

新田義貞の鎌倉攻めにより、逃げ場を失った北条氏は、宝戒寺の南東にあるやぐら(腹切やぐら)で自害したと伝えられています。

北条氏の悲劇の最期…腹切りやぐらと東勝寺跡をたどる鎌倉の史跡巡り

 

宝戒寺の境内には四季を通じて花が咲き、特に萩の寺として知られ、九月には白い萩で埋め尽くされます。

 

  • 鎌倉地蔵尊24札所霊場第1番
  • 鎌倉観世音33札所霊場第2番
  • 鎌倉江の島七福神毘沙門天

 

宝戒寺見どころ

宝戒寺は萩で有名なので、訪れるのにおすすめなのは萩が咲く9月です。

また、10月には椿が咲き、他にもしだれ梅、桜、水仙、ほととぎす、サルスベリといった植物を見れます。

 

宝戒寺はかつて北条氏の邸があった場所なので、吾妻鑑や歴史書などに出てくる鎌倉の歴史を動かすような謀議はここで計画されました。

比企氏、三浦氏、和田氏といった鎌倉の有力者を実力で倒した北条氏は、支配を確固たるものに築き上げていきました。

かつての北条氏の邸宅地であることから、歴史好きにとっては鎌倉幕府の終焉を肌で感じられるかもしれません。

 

こんな人におすすめ

  • 鎌倉の歴史を感じる場所を巡りたい方
  • 萩の花が好きな方(9月の来訪がおすすめ)
  • 静かな寺で心を落ち着けたい方
  • 北条氏や鎌倉時代に興味がある歴史ファン

 

北条氏の家紋である三つ鱗の門を通って敷地内に入ります。

拝観料:大人300円、中学生200円、小学生100円

 

参道の左には北条執権邸の石碑があります。

「往時此の地に北条氏の小町亭在り、義時以後累代の執権概ね皆之に往せり。彼の相模入道が朝暮に宴筵を張り、時に田楽法師に対し列座の宗族巨室と俱に直垂大口を争ひ解きて纏頭の山を築けりと言ふも此の亭なり。元弘三年新田義貞乱入の際灰塵に帰す。今の宝戒寺は建武二年足利尊氏が高時一族の怨魂弔祭の為、北条氏の菩提寺東勝寺を此の亭の故址に再興し以て其の号し改めしものなり。」

 

受付を通り過ぎて参道を進むと本堂があります。

(宝戒寺本堂)

 

聖徳太子を祀る聖徳太子堂です。

(聖徳太子堂)

 

鎌倉幕府の執権だった北条高時を祀る徳崇大権現堂です。

(徳崇大権現堂)

 

歓喜天を祀る大聖歓喜天堂です。

(大聖歓喜天堂)

 

(宝戒寺の梵鐘)

 

(宝篋印塔)

 

無患子(むくろじ)

 

柏槇(びゃくしん)

 

宝戒寺の敷地はそれほど広くないので、30分もかからず見て回れました。

 

宝戒寺へのアクセス

所在地 神奈川県鎌倉市小町3丁目5−22
アクセス JR横須賀線「鎌倉駅」東口から徒歩13分

 

 

駐車場:近隣にコインパーキングあり

駐輪場:なし

 

まとめ

・宝戒寺はかつて北条氏の邸跡だった

・宝戒寺は北条氏の怨魂を慰めるために建立された

・萩の寺として知られている

 

おわりに

今年も神奈川県にある海水浴場の多くがコロナ感染防止のために閉鎖になるようです。

図書館も再開の見込みは未定とのことです。電話で再開について聞いたところ、1週間ごとに感染状況を見て判断するそうです。

鎌倉がかつての賑わいを取り戻すにはもう少し時間がかかりそうです。

 

参考文献

  • 新編鎌倉志
  • もっと行きたい鎌倉歴史散歩
  • 太平記

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