横須賀市佐島にある「天神島臨海自然教育園」では、三浦半島に残された貴重な自然海岸を保護しています。
天神島は横須賀市にある島ですが、島といっても数メートルの橋を渡るだけなので、車でも徒歩でもアクセスできます。
自然観察や環境学習の場として、子供から大人まで幅広い世代で楽しめるので、夏休みに親子で遊んで過ごすのにもおすすめです。
天神島臨海自然教育園とは?
天神島は、横須賀市の佐島地区に位置する小島です。三浦半島の西側にある1周1㎞ほどの小さな島です。
島へは小さな橋を渡るだけなので、自分は島と気づかず渡ってました。
1965年に天神島の一部と笠島、その周辺水域が名勝・天然記念物として指定され、翌年からは天神島臨海自然教育園博物館によって管理運営されてます。
天神島臨海自然教育園は、多様な海浜植物や海岸動物が生息している、自然環境に恵まれた教育園です。
特に温暖な海浜で見られる植物のハマオモト(ハマユウ)の分布の北限地として知られ、ハマユウは神奈川県の天然記念物に指定されています(横須賀市・三浦市の市花)。
天神島ビジターセンターには、天神島の海岸植物・魚類・昆虫などの標本や写真を展示しています。
天気が良い冬場などは、岩場から富士山や伊豆半島を一望できる絶景スポットです。
神奈川県指定天然記念物
横須賀市佐島の天神島および笠島周辺は、三浦半島を代表する動植物が分布しており、また地質学上でも極めて重要なところです。
天神島は周囲1キロメートルたらずの小島でハマユウの群落、およびハマボウがみられ、その分布は植物地理学上、日本の北限となっています。
またこの島に生育する海岸植物の総数は146種にも及びますが、このように種類、数のまとまったところは他地区ではみられません。
となりの笠島は天神島と同じ凝灰岩から出来ている小島で変化に富んだ岩礁をかたちづくり、各種の海産動物の生息水域に囲まれています。
この地域は、動物・植物・地質学上の豊富な資料が狭い範囲に調和をみせており、その景観とともにたいへん貴重な地域です。
神奈川県教育委員会
天神島の見どころと体験
磯遊びと自然観察
園内の海岸では、ナマコ・カニ・ウニ・ヒトデなど、さまざまな海の生き物を観察できます。特に潮だまり(タイドプール)では、小さな生物たちの生態を間近で見ることができるので、子供たちの自然学習に最適です。
「ウミウシやナマコがあっさりと見つかったのに少し驚きました。」
『天神島周辺の海岸では、いろいろな種類の海岸動物が観られます。ここには代表的な9つの動物グループを紹介してありますが、それぞれのグループによっては、種類数や生活している場所にちがいが観られます。天神島周辺の海岸で数や種類がもっとも豊富なグループは、節足動物(エビ・カニ・ヤドカリ類)や軟体動物(貝・イカ・タコ類)などです。
海岸動物の代表的な生活場所には、岩場・転石場・砂場・泥場などがあり、限られた生活場所にすむものや広い生活場所をもっているものなどがあります。また潮の干満時間・動物の成長段階・日光量の多少などによって、これらの生活場所を変える海岸動物もいます。』
天神島の海岸は、湘南・鎌倉・逗子とは違っってゴツゴツした岩場です。荒崎海岸の案内にもありましたが、三浦半島の岩場は独特の景観です。
海水もきれいです。
天神島の海岸周辺で見られる海の生き物
- 節足動物(エビ・カニ・ヤドカリ)
- 軟体動物(貝・イカ・タコ)
- 棘皮動物(ウニ・ナマコ・ヒトデ類)
- 刺胞動物(クラゲ)
- など
天神島の植物
- 春(ヤリンバイ・トベラ・ハマウド)
- 春~夏(ハマエンドウ・ミヤコグサ・ハマヒロガオ・テリハノイバラ)
- 夏(ハマオモト・ハマボウ・タイトゴメ・スカシユリ・ハマナデシコ・ハマカンゾウ・ハチジョウナ)
ハマオモトの花期は6月下旬から8月中旬といわれています。天神島では、ハマオモトを食べて育つハマオモトヨトウという蛾の幼虫を観察することができます。
(ハマオモト)
天神島で見れる海藻
- アナアオサ
- ヒジキ
- わかめ
- マクサ
天神島ビジターセンター
隣にある天神島ビジターセンターでは、海の生物に関する標本や写真が展示されており、観察した生物について詳しく学ぶことができます。
利用時間
入園料 | 無料 |
開館時間 | 午前9:00~午後5:00(4月~9月) 午前9:00~午後4:30(10月~3月) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) 年末年始(12月29日~1月3日) |
おみやげに缶バッジをプレゼントすれば喜ばれること間違いなし!
そして、横須賀ではお馴染みの横須賀風物百選にも選ばれています。横須賀風物百選は微妙なところも多いですが、この天神島と笠島はなかなか良かったです。
(横須賀風物百選 天神島と笠島)
利用上の注意事項
『教育園は、自然観察と自然環境の保護、調査研究など教育的利用を目的としています。園内での次の行為はお断りします。マナーを守り、自然を大切にしましょう。
- 「笠島」に無断で上陸すること
- 漁業権者以外の者が釣竿・モリ・網等の採集用具を持って入園すること
- 遊泳すること、許可なく潜水行為をすること
- 園内や保護水域内の動物・植物・海藻・岩石などを許可なく採集すること
- 保護水域内でボード・帆走遊具・カヌー・ヨット・小型船舶の使用、停泊をすること
- 園内でレジャー用具や火気を使用すること
- 飲酒・喫煙すること、ペットを持ち込むこと
- 無断で商業用の撮影・行為をすること
- 教育園の保全・管理・運営の妨げになる行為をすること』
笠島は天神島から見えますが、上陸が禁止されてます。
天神島のアクセス情報
所在地 | 横須賀市佐島3-7-3 |
アクセス | JR「逗子駅」または京急「逗子葉山駅」からバス「佐島マリーナ入口」行き バス停から徒歩5分 |
一応、駐車場もありますが、数が少ない(15台)うえ、無料なので満車のことが多いです。前回訪れた時は満車だったので、自分はバイクで来ました。
まとめ
・天神島は、天然記念物ハマオモト(ハマユウ)の自生北限地
・多彩な海浜植物と海浜生物に出会える
・ビジターセンターで植物・魚類・昆虫の標本が展示されている
・地質学的にも貴重な岩場では、波打つ波と海風を楽しめる
・晴れた日の富士山・伊豆大島や、美しい夕日が見れる絶景ポイント
コメント