鎌倉の歴史と神社をめぐる「朝比奈切通〜鶴岡八幡宮」コース

鎌倉

鶴岡八幡宮から朝比奈切通しを通って、金沢八景(久良岐郡六浦湊)までの道は六浦路と呼ばれました。

朝比奈切通しは、鎌倉時代の執権・北条泰時によって開かれ、かつては重要な軍事・物流ルートでした。

鎌倉の和賀江島に代わって、六浦湊が交易の中心になったため、六浦路は物資の輸送や商人の道でした。

 

現在の朝比奈切通しは、鎌倉の自然と歴史に触れながら歩ける人気のハイキングコースとして親しまれています。

今回は、横浜市の朝比奈から金沢街道を通って鶴岡八幡宮まで歩いてみました。

朝比奈~鶴岡八幡宮のハイキングコース

・スタート地点:京急バス「朝比奈」バス停

・ゴール:鶴岡八幡宮

・所要時間:約2時間~4時間(観光含めて)

・難易度:初級(朝比奈切通に滑りやすい箇所あり)

・おすすめの季節:春・初夏・紅葉時期

・服装:歩きやすい靴(ハイキングシューズが望ましい)

・途中にある人気観光名所:光触寺・浄妙寺・報国寺・杉本寺・宝戒寺など

今回訪れた史跡・寺院:鼻欠地蔵→朝比奈切通→十二所神社→浄妙寺→報国寺→杉本寺→源頼朝の墓→鶴岡八幡宮→帰宅(鎌倉)

所要時間:4時間以上

鼻欠地蔵:横浜にあった摩崖仏

雨が上がったので、鎌倉から金沢八景行きのバスに乗って大道中学校バス停で下車しました。

大道中学校バス停の前には鼻欠地蔵の案内があります。

鼻欠地蔵は、別名界地蔵(さかいじぞう)といい、この場所が武蔵と相模の境界だったからといわれています。

 

鼻欠地蔵の案内には、旅人が地蔵を見上げている絵があり、今は見ることができない顔や身体も描かれています。目の前を走る環状三号の建設などで削り取られたのではないかといわれています。

 

今の鼻欠地蔵は面影がほとんどなく、案内がなければここに摩崖仏があったとは誰も思わないでしょう。

 

横浜にかつて存在した二つの摩崖仏|失われた二つの摩崖仏とは

 

鼻欠地蔵を朝比奈切通に向かって進むと、朝比奈バス停の手前に上総介塔があります。

上総介は、頼朝を助けた上総広常のことです。広常は上総(千葉県)の有力武将でしたが、朝比奈切通の近くにも屋敷を構えたといわれています。

 

朝比奈切通:鎌倉へ続く切通

朝比奈バス停の近くに切通し入口に続く道があります。

道路にある朝比奈切通入口の案内から少し進むと、朝夷奈切通(あさいなきりどおし)の入口が見えてきます。

鎌倉七切通の一つ「朝夷奈切通」|中世の面影を残す古道を歩く歴史散策

 

朝比奈切通の途中は足元が滑りやすくなってます。

 

朝比奈切通は、軍事道路でもありました。金沢の北条氏の兵を引き入れることが可能であり、鎌倉からの脱出ルートとしての役割もあったようです。

湿度の高いこのエリアでは、苔やシダが美しく、夏でもひんやりとした空気が流れます。

朝比奈切通の特徴

  • 道路幅はやや狭め
  • 濡れた岩場は滑りやすいので注意
  • 鎌倉時代の雰囲気が残る中世の古道
  • 自然と歴史が融合した散策路
  • 国指定史跡

 

切通しの出口手前にある三郎の滝です。三郎は朝夷奈三郎のことで、朝比奈切通は大力無双の三郎が一夜にして切り開いたという言い伝えがあります。

 

朝比奈切通の出口を右に曲がって100m?くらい進むと右手に太刀洗水があります。

この太刀洗水は鎌倉五名水の一つに数えられ、梶原景時が上総広常を殺害した後に刀を洗ったという言い伝えがあります。

金沢街道

朝比奈切通を出て金沢街道まで行くと十二所神社があります。

十二所(じゅうにそ)は、鎌倉ものがたりというマンガの中では、鎌倉の秘境として紹介されています。

近くの看板によれば、昔は「十に郷ヶ谷」と呼ばれていたとあります。

また、村に十二軒しか家がなかったことから、十二所と呼ばれるようになったという話もあります。

 

鶴岡八幡宮に続く金沢街道は普通の一般道です。ハイキングコースとして人気があるのは街道沿いに浄妙寺・報国寺・杉本寺といった人気の寺院があるからだと思います。

 

明石橋交差点では、右へ進みます。左に進むと逗子に出ます。

あとは街道を進めば鶴岡八幡宮に着きます。

 

鎌倉市を歩いていると、いろいろな石碑が設置されています。石碑にはその場所にあった屋敷や面白いエピソードが書いてあるので、足を止めて歴史に思いを馳せてみるのも楽しいかもしれません。

下の写真は鎌倉時代の名奉行といわれた青砥藤綱の邸があったという碑です。

(青砥藤綱邸舊蹟)

碑には、藤綱が滑川で十文を落としてしまい、それを探すために部下に五十文でたいまつを買ってこさせた逸話が記載されています。

この話を聞いた人は、十文の銭を見つけるために五十文を使うのは損だと笑いましたが、藤綱は「10文は少ないが天下の貨幣を失うことになり、五十文は自分には損でも天下の経済は回ることになり、合わせて六十文の利がある」と答え、人々を感心させたそうです。鎌倉の名奉行藤綱らしい逸話です。

 

岐れ路もそのまま直進します。ちなみに右に行くと鎌倉宮や荏柄天神社、覚園寺や瑞泉寺があります。

 

朝比奈切通以外は普通の道路なので、ウォーキングにもおすすめです。

 

寄り道したので4時間かかりましたが、鶴岡八幡宮に到着しました。

鶴岡八幡宮の見どころ案内|歴史とパワースポットを巡る旅

 

朝比奈切通から鶴岡八幡宮までの途中にある寺院

  • 熊野神社(朝比奈切通)
  • 十二所神社
  • 光触寺
  • 明王院
  • 浄妙寺
  • 報国寺
  • 杉本寺
  • 宝戒寺

 

(熊野神社)

鎌倉七口「朝夷奈切通し」の通行止め解除!歴史的な道を再び歩けるように

 

(光触寺)

鎌倉の隠れた名刹・光触寺|一遍上人坐像と塩嘗地蔵を訪ねて

 

(明王院)

鎌倉幕府ゆかりの寺・明王院|鎌倉幕府四代将軍が建立したパワースポット

 

(浄妙寺)

鎌倉五山『浄妙寺』と鎌足稲荷神社をめぐる歴史散歩

 

(報国寺)

鎌倉の名所|ミシュラン三つ星の報国寺でお茶を飲みながら竹の静寂を楽しむ

 

(杉本寺)

鎌倉最古の寺「杉本寺」|苔の階段が美しい歴史的名刹

 

(宝戒寺)

北条氏ゆかりの「宝戒寺」|鎌倉幕府終焉の慰霊寺

 

まとめ

・朝比奈切通は足元が滑りやすい

・十二所から鶴岡八幡宮までは普通の一般道

・街道沿いには有名な寺院が数多く並ぶ

・寺院を回りながらハイキングを楽しめる

 

注意点とアドバイス

  • 切通しは雨の翌日は特に滑るので、散策は滑りにくい靴で。
  • 途中にはトイレがないので、スタート前に済ませておくのがよい。
  • 途中の寺院のトイレを利用する。
  • 写真映えする苔・岩・自然など多数!スマホやカメラは忘れずに(モバイルバッテリーも)。
  • バスの本数が少ない時間帯があるので時刻を確認してから出発を。

 

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